コラム

Column

在宅薬剤師は、毎日が刺激的!
若手のうちから任せてもらえるから、成長できる

在宅医療

2024.05.28

かもめ薬局では、地域のみなさまに頼りにされる薬局を目指して、スタッフが日々研鑽を積みながら業務に取り組んでいます。今回は、かもめ薬局かきおモール店で在宅専任薬剤師として働く入社8年目の齋藤 大輔さんに、「在宅薬剤師として働く意義と仕事の魅力」について聞きました。

かもめ薬局かきおモール店 在宅専任薬剤師

齋藤 大輔

「若手の時から在宅薬剤師のキャリアを積む」

Q.はじめに、在宅医療に興味を抱いたきっかけを教えてください。

齋藤:もともと人の役に立ったり、コミュニケーションをとったりするのが好きな性格で、それが大きいかもしれません。薬学生時代の実習で、在宅業務に同行させていただく機会があり、「薬剤師にもこのような活躍の場があるんだ」と興味を持ちました。

就職活動をする中で、薬剤師として何年か経験を積んだ後に在宅担当になれるという会社が多かったのですが、トライアドジャパンでは若手のうちから在宅薬剤師になることができる。それが就職の決め手になりました。

Q.現在の業務内容を教えてください。

勤務先であるかもめ薬局かきおモール店は、薬剤師14名、在宅専任薬剤師7名、ファーマコンシェルジュ(薬局事務スタッフ)10名の比較的規模の大きな薬局です。在宅患者さんは、介護施設に入居する方と、自宅で療養する方、それぞれ同じくらい担当しています。

私が担当するのは、個人宅の方が約40名、介護施設が2施設で50名ほど。3つのクリニックの医師と連携して、訪問診療への同行もしています。個人宅では患者さんのご家族、施設では介護スタッフさんとの関わりにも意識を向けて業務を行っています。

「現場の経験は、薬剤師のスキルを伸ばす」

Q. 若手のうちから在宅専任薬剤師として働くことで、よかったことや成長できたことはありますか?

齋藤:まずは、知識とスキルが格段に身に付くことです。実際に患者さんの状態や、生活背景や服薬状況などを直接見たうえで、どう薬物療法をサポートしていくか考えることができます。

また、在宅専任薬剤師は医師の訪問診療に同行することも多く、例えば治療の流れ、医師の処方意図を現場で知ることができます。訪問看護師や理学療法士、ケアマネジャーなど他職種との連携も多く、チーム医療の一員としての薬剤師の役割、スキルも学べます。こうした技術や経験は、外来業務を行ううえでも大いに生かせるでしょう。

医師をはじめ他職種から信用してもらうには時間と努力が必要だと思います。丁寧なコミュニケーションを積み重ね、ミスをした時には反省し改善し、「かもめ薬局の齋藤さんなら安心だね」と言ってもらえるようになりたい。そうすることで、個々のケースに入り込みやすくなり、結果として患者さんの役に立てると考えています。

Q.在宅専任薬剤師として働くなかで、印象に残った患者さんのエピソードはありますか?

齋藤:60代の独居の患者さんで、私が担当するようになった当初は、内科から出されたお薬はほぼ飲めていませんでした。そこでまずは服薬アドヒアランス向上のため、一包化やお薬カレンダーを導入しました。

また、生活をうかがったところ、午前中の外出が多く、朝や昼の服薬忘れが多いことがわかったため、1日1回夕食後の服用となるよう医師と相談して調整したところ、服薬順守率が7割ほどに。さらに服薬の意義や飲み忘れ時の対応を繰り返し説明したところ、9割近く服薬できるようになりました。

当たり前の話ですが、薬は飲めていなければ効果は発揮されません。そのため、薬を“飲める状態”にすることは、薬剤師が最初に考えるべき大切な仕事です。患者さんのさまざまな背景を理解したうえで、生活スタイルに合わせた介入が求められます。

Q. 在宅専任薬剤師としての働くことの魅力は何でしょうか?

齋藤:患者さんの生活の場に赴き、家族とも密接に関わったりするのが、外来での対応との大きな違いです。患者さんの生活スペースに入り込むことで、薬局のカウンターだけでは得られない情報が多く手に入ります。
それらをヒントに、患者さんの生活をお薬で改善する手助けをして、それが上手くいったときは、何より嬉しいですね。人のために考えを巡らせたり行動したりすることが好きな人には、とても魅力的な仕事だと思います。

「これからの時代に必要とされる薬剤師になる」

Q. 今後のキャリアについて、目標や展望をお聞かせください。

齋藤:主任という立場となり、薬局全体の業務体制を改善し、効率化を図っていきたいと考えています。そうすることで、より薬剤師として患者さんに向き合う時間が確保できるようにしたいですね。

個人としては、これからの薬剤師に求められることを考えながら、より高度で幅広い知識を身につけたい。そのためには専門薬剤師の認定も取得していきたいと考えています。

現在は、糖尿病について勉強中です。在宅患者さんにも糖尿病の方は多いですから、知識があれば力になれるかな、と……。他に、栄養についての知識や生活指導におけるスキル、輸液のことも学びたいですね。

Q. 最後に、トライアドジャパンに興味をもたれている薬学生さんへメッセージをお願いします。

齋藤:高齢化が進んでいくなかで、薬剤師として働く以上、在宅のスキルは必須です。そういった意味でも、私自身、若手のうちから経験を積めてよかったと思います。
在宅専任薬剤師は皆さんが想像する以上に刺激的でやりがいのある仕事です。在宅医療に興味がある方と一緒に働けることを、楽しみにしています!

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