未承認の「くすり」を扱うからこそ
信頼できるCRCとして働き、未来に薬を残したい
治験
2025.11.05
トライアドジャパン株式会社はSMO(治験施設支援機関)として治験コーディネーター(CRC)や治験事務局スタッフが中心となり、治験・臨床研究の現場を支援しています。今回は、「医薬開発本部」にCRCとして新卒で入社し、現在3年目の岡部 伸樹さんに、「CRCの経験からみえてきた“自身の成長”と“やりがい”」について聞きました。
医薬開発本部 SMO事業部門 推進課
岡部 伸樹
「トライアドジャパン初のCRC新卒採用」
Q. まず、CRC(治験コーディネーター)という仕事を目指したきっかけを教えてください。
岡部:もともと理系科目が得意で、特に生物が好きでした。大学は東京薬科大学生命科学部に進学し、大学院まで進み、脊髄小脳変性症やポリグルタミン病など、神経疾患に関する研究に取り組みました。
自分としては大学院で研究をやりきったという思いがあり、就職活動を始めた当初は、医療分野とは全く違う業界で働きたいと思っていました。ところが大学院修了間際に祖父が急逝し、「病気で困っている患者さんの力になれる仕事をしたい。せっかく大学院まで出たのに、医療の道から離れてしまうのはもったいない」と思うようになりました。医療に携わる職業を改めて検討するなかで、患者さんと直接関わることのできるCRCの仕事に興味をもちました。
トライアドジャパンを志望した理由は、精神神経科領域の治験に強みを持っていたからです。大学・大学院で神経疾患に関する研究をしていたので、その知識を活かせるのではないかと考えました。

Q.岡部さんはトライアドジャパンでは初のCRCとして採用された新入社員と聞いています。入社後の研修制度はいかがでしたか?
岡部:研修は社会人マナー研修に加えて、約3週間の座学研修がありました。治験は法律やルールが細かく定められているので、それを徹底的に学びました。正直、覚えることは多かったですが、会社オリジナルの教育研修カリキュラムと資料には実務に必要な知識が全て詰まっていたので、現場に出てからも役立つことばかりです。今でも当時の資料を見返すことがあります。
その後、約7ヵ月間のOJT(実務研修)では、上司がマンツーマンで指導してくれました。治験に参加される患者さんに治験の説明をしたり、医師とやりとりをしたりする機会をいただくのですが、最初のうちは上司がそばについて見守ってくれていたので、安心して取り組むことができました。
こうした実践的な経験を重ねながら、少しずつ、患者さんとの対応やクリニックへの訪問を1人で任されるようになりました。特にありがたかったのは、社会人としてのマナーを手厚く指導してもらえたこと。上司の接遇を間近で見て学びながら、少しずつ成長できたと思います。
「スケジュール管理やコミュニケーションの工夫で患者(被験者)さんの負担を減らす」
Q.実際に働き始めて、ギャップを感じたことはありますか?
岡部:入社前は、医療にかかわる仕事というと、「時間外勤務が多い」「急な呼び出しがある」などのイメージを持っていました。でも、実際に働いてみるとそういったことは少なく、むしろ自分でスケジュールを組めるため自由度が高いと感じています。もちろん、忙しい時期もありますが、業務量が適切に調整されるよう配慮されていますし、自分のキャパシティを超えすぎないよう、先輩や上司がサポートしてくれる環境が整っています。
私の場合、担当している治験実施施設が本社に近いので、ほぼ毎日オフィスで業務をしています。本社では他のCRCやSMA(治験事務局担当者)と気軽にやり取りができ、何か困った時にはヘルプを出しやすいです。また、本社では薬局事業本部の人から声をかけてもらえたり、時には飲みに行ったりとCRC以外の職種の社員と交流があるのも息抜きになっています。

Q.現在の業務について、具体的に教えてください。
岡部:私は主に治験を実施している精神科クリニック2施設を担当し、精神科領域の治験を6〜7本並行してメイン担当として関わっています。CRCはプロトコール(治験実施計画書)を遵守することが求められるので、確認事項は多岐に及びます。
<私の1日のスケジュール>
9:30 出社。メールチェック、その日の治験参加者(患者さん)対応の最終確認
10:30 患者さんの対応
13:00 医師との打ち合わせ(進行中の治験の進捗確認や、新規試験の相談など)
15:00 患者さんの対応。終了後、書類整理・後処理
18:30 退勤(医師に確認事項がある場合は、クリニックの診察終了後に打ち合わせをし、19:00ごろ退勤)
CRCの業務はスケジュール管理がとても大切です。治験に協力していただける患者さんは、未承認の「くすり」を服用するというリスクを引き受けてくれています。だからこそ、院内での滞在時間を少しでも減らし、負担を軽減できるよう、スムーズに進めるよう心がけています。
患者さんとの信頼関係が大切ですが、特に精神科領域の治験では、私たちのコミュニケーションで試験に影響を与えないように、細心の注意を払っています。患者さんファーストを保ちつつ、適切な距離感で接するコミュニケーションスキルが、CRCとしての専門性の一つだと感じます。
この仕事の醍醐味は、自分が関わった薬剤が世の中に出ることで、一人でも多くの未来の患者さんを救うことができることだと考えています。
実は、私の担当した薬剤の承認申請が通りそうだと聞いています。未来に薬を残せるということは、仕事のやりがいを越えて、もはや生きがいに繋がると考え、日々仕事に向き合っています。
「知識ゼロからでも成長できる、頑張れる」
Q. 今後、どんなCRCを目指していきたいですか?
岡部:入社3年目となり、今後はさらにメイン担当として関わる試験を増やしたいです。また、これから入社するCRCの育成にも関わっていきたいと思っています。
実は、入社1年目で社内のMVP賞をいただきました。担当した治験が複雑だったのですが、無事に遂行できたことが評価されたと聞いています。当時はとにかく頑張って認められたいと思っていましたが、今は「自分の頑張りが会社全体の成績にもつながる。だから努力できる」と感じています。
トライアドジャパンは、頑張る姿をしっかり見てくれる人がいて、評価してくれる会社です。上司との距離も近く、普段から雑談を交えながら仕事のフィードバックを受けやすい雰囲気があるので、自然に成長できる環境だと思います。

Q. 最後に、トライアドジャパンへの就職を考えている方へメッセージをお願いします。
岡部:治験に関わる仕事というと、「専門知識がないと難しいのでは?」と不安に感じるかもしれません。
でも、CRCの仕事は知識ゼロからでも問題なく始められます。しっかりとした研修と先輩のサポートがあるので安心してください。
特に、医療を通じて人の役に立ちたい方や、人とコミュニケーションをとるのが好きな方には、CRCはぴったりの仕事です。文系・理系を問わず、少しでも興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください!